【steelseries arctis1 レビュー】 「7,000円なのに上位機種と同じ音」は本当か!?
はい、むぅさんです。
今回は、スティールシリーズのヘッドセット『arctis 1』をレビューします。
この『arctis 1』、同スティールシリーズ社の上位機種「arctis 7(16,000円,Amazon,2020/4/2)」と音質的には変わらないのがウリなんだとか!
それほどの音質が約7,000円で手に入るとしたら相当コスパが高いですが、はたしてそんなウマい話があるんでしょうか...?
- steelseries arctis1とは?
- 内容物&本体チェック
- 軽い・サラサラ・超快適 『arctis 1』の装着感は最高!
- マイク音質はクリアで聞き取りやすい。 ただ、PS4コントローラー直挿しでは注意点も...
- ゲーム音質について
- 総評
- 【おまけ】 arctisシリーズ上位機種との比較
steelseries arctis1とは?
『arctis 1』は、2019年7月に販売開始された、密閉型のヘッドセットです。
Amazonでの価格は、7,073円(2020/5/23)。
スティールシリーズが販売するヘッドセットの中では最も安価なモデルながら、上位機種の「arctis 7」と同じ高品質なスピーカードライバーを採用しているとのこと。
ちなみに、このarctisシリーズには、価格の安い順に以下のラインナップがあります(派生モデルを除く)。
・arctis 1
・arctis 3
・arctis 5 (USBチャットミックス、イルミネーション)
・arctis 7 (ワイヤレス、USBチャットミックス)
・arctis PRO (ハイレゾ対応、USBチャットミックス、イルミネーション)
スペックを見る限り、ハイレゾ対応のarctis PROを除けば、各モデルの大きな違いはワイヤレス、USBチャットミックス、イルミネーションの有無のようで、基本的には音質に大きな違いはないというように謳われているようです。
『arctis 1』の特徴
- 上位機種「arctis 7」と同じ高品質なスピーカードライバーを採用
- Discord認定、着脱式のClearCastノイズキャンセリングマイクによる自然なマイク音質
- スチール強化型ヘッドバンドによる最適なフィット感と高い耐久性
- PC、PS4、Xbox、Switchをはじめ、すべてのゲーミングプラットフォームを対象に開発
内容物&本体チェック
付属品は、左上から時計回りに
- ヘッドセット本体
- 着脱式のマイク
- PC接続用の二股変換ケーブル
ちなみに、ヘッドセットの3.5mm4極のケーブルは取り外しできません。
ひとつ残念だったのは、本体に付いている3.5mmケーブルがいかにも安物のケーブルといった感じで、耐久性が心配なところでしょうか。
ただこのへんは、価格を考えると仕方ないかもしれません。
ヘッドセット全体の質感としては、値段相応といったところ。
プラスチッキーな仕上がりで、多少のチープ感は否めません。
ただ、デザインがシンプルでとてもかっこいいので僕は気にならない、というか好きですこの見た目。
イヤーカップ側面には、控えめなsteelseriesのロゴ。
このロゴが好きで、僕はマウスパッドもsteelseriesのものを使っています。
こちらはL側イヤーカップの後ろ側。
上がマイクのミュートスイッチ、下がゲーム音量の調節ダイアルです。
本体側にコントロールが付いているタイプは初めて使いましたが、1日で慣れました。
これは使いやすくてめっちゃいいですね!
こちらはL側イヤーカップの前側。
着脱式のマイクを接続する端子があります。
ヘッドバンドのサイズ調整は、手動で引っ張るタイプ。
カチカチとクリック感があります。
ちなみに、ヘッドバンド内部のフレームは強化スティール製。
外観はプラスチッキーながらも、大事なところはしっかりと作られているのが好印象です。
ただし、耐久性については長期間使ってみないとわかりませんね。
イヤーカップは後方に90°回転するため、休憩時に首にかけてもストレスなし!
イヤーパッドは、arctisシリーズの売りでもあるエアウィーヴ製。
スポーツ用品にも使われるという高機能なドライメッシュ素材で、これを最廉価モデルにも採用してくるあたりに、steelseriesのこだわりを感じます。
写真ではわかりにくいですが、ヘッドバンドにはPUレザー製のクッションがついてます。
特別厚みがあるわけではないですが、中にスポンジが入っているためか、クッション性は問題ありません。
また、他arctisシリーズはスキーゴーグルについているようなゴムバンドでフィット感を確保するタイプなのに対し、『arctis 1』は唯一普通の(?)ヘッドバンドを採用しています。
他シリーズのゴムバンドタイプが苦手という方でも、違和感なく装着できるでしょう。
軽い・サラサラ・超快適
『arctis 1』の装着感は最高!
個人的に『arctis 1』で一番のお気に入りポイントは、約260gという軽量な本体と、エアーウィーブ製のイヤーパッドがもたらす快適なつけ心地です。
ほとんどのヘッドセットに採用されているPUレザー製のイヤーパッドは、長時間着けているとどうしても耳周りが蒸れてきてしまいます。
しかし、『arctis 1』のサラサラなイヤーパッドは耳を常にドライに保ってくれるうえ、本体も超軽量なので、僕の場合は長時間の着用でもストレスがありませんでした。
いやー、ほんとに快適ですねエアウィーブ。まず蒸れません。
もちろんイヤーパッドの素材によって音質が変化することも考慮しなければいけませんが、全てのヘッドセットのイヤーパッドがエアウィーブになればいいと思うくらい、僕は気に入りました。
ただ、側圧は標準よりわずかに強めという気もするので、頭の大きい人は可能であれば一度試着してみることをオススメします。
もしも買ってみて側圧がキツイと感じたなら、1日ほどティッシュ箱などにはさんでおくと緩和されるでしょう。
マイク音質はクリアで聞き取りやすい。
ただ、PS4コントローラー直挿しでは注意点も...
今回も、『arctis 1』をPS4のコントローラーに直接接続し、PS4のビデオクリップ機能で録音した音声をチェックしました。
マイク音質としては、余分な低音がカットされた高音寄りのクリアな音質。ナチュラルで本来の声そのまま、という音質ではないですが、 ゲーム音に埋もれない聞き取りやすい音質でした。
いつも言っていますが、マイクにおいては低音は邪魔になることが多いため、ヘッドセットにおいてはある程度低音をカットしてくれるマイクが僕は好きです。
マイク音量は上げすぎ注意!
しかし、一つ気になった点も。
PS4のコントローラー直挿しの場合、僕の環境ではマイク音量を上げ目にすると「サーッ」というホワイトノイズが乗ることがありました。
試しに「Astro MixAmp」に繋いでみたところ、このホワイトノイズは気にならなくなったので、可能であればUSBDACをかましてあげるといいと思います。
(2020/5/23更新)その後、直挿しでもホワイトノイズが気にならなくなりました。一時的な環境ノイズだったのかもしれません。
ちなみに、「Astro MixAmp」に繋いだ場合、マイクの低音・中音がほどよく補われるようです。
ゲーム音質について
ゲーム音質については、いずれもPS4版のCoD WARZONE、PUBG、レインボーシックスシージなどでの使用感を元にお話しします。
「これはarctisシリーズの音じゃない...」
と、思ったら...
ファーストインプレッションとしては、敵の足音はしっかりと聞こえるものの、低音そこそこ、高音そこそこ、加えてポコポコとした中高音あたりが少し気持ち悪いという印象。
以前試した知人の「arctis 3」はもっと音が良かった印象だったので、「これが上位機種と同じスピーカードライバーの音か...?」と、正直少しガッカリしました。
そこで、オーディオ界ではもはや常識と言われるエイジングをしてみることに。
10時間ほど専用音源でエイジングしたところ、ポコポコと気持ちの悪かった中高音が落ち着き、全体的にスッキリとクリアな音に変貌!
「これなら全然いい!」という音にまで成長してくれました。
個人的にはこの『arctis 1』、エイジング必須だと思います。
※youtubeにて「ヘッドホン エイジング」と検索すれば、エイジング用の音源が見つかります。10時間〜を目安に、再生したまま放置してみましょう。
ただし、音楽リスニング用途には向きません。
低音は締まりがなくてボワっとしてるし、高音も伸びやかな感じはないです。
このあたりはゲーム中は気にならなかったので、やはりゲーム専用と割り切るべきだと思います。
定位感は良好で、敵の位置もバッチリ分かる
エイジング前から、定位感は良好という印象でした。
近くの敵の位置もはっきり分かるし、遠くの銃声の定位もバッチリ。
索敵面での不安はないといっていいでしょう。
この点、FPS・TPSプレイヤーには安心ですね。
総評
今回は、steelseries『arctis 1』をご紹介してきました。
質感に関しては値段相応であるものの、装着感はとにかく快適で、なんといってもエアウィーブの蒸れないサラサラ感は他社ヘッドセットにはない魅力です。
エイジングすることによってゲーム音質も十分に満足できるものに化けるし、定位感も安定していて索敵にはもってこい。
クリアで聞き取りやすいマイクもいいですね。余談ですが、最近はもっぱらこの『arctis 1』でゲーム配信をしています。
上位機種と全く同じ音かといえばそうではないですが、かといって劣っているという印象はなく、十分に使える音だと思います。
『arctis 1』ココがイイ!
・軽く、蒸れない装着感は最高!
・敵の位置はわかりやすく、音質も十分(要エイジング)
・値段に対して不満の少ない高コスパ
『arctis 1』ココがイマイチ!
・質感は若干チープ
・コントローラー直挿しの場合、ホワイトノイズが乗りやすい
(2020/5/23更新)一時的なノイズだったようです。今は気になりません。
【おまけ】
arctisシリーズ上位機種との比較
『arctis 1』の購入を考えている方の中には、価格が7,773円(Amazon,2020/5/23)と、約700円しか変わらない「arctis 3」とどちらを買うべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。
今回のレビューにあたり、改めて知人より「arctis 3(2019エディション)」を借りることができたので、比較してみます。
ゲーム音はやっぱり違う
「上位機種と同じスピーカードライバーを採用」と謳われている『arctis 1』ですが、上位機種(arctis3,5,7)のスピーカードライバーのスペックを見る限り、若干仕様が違うんですよね。
実際に「arctis 3」と比較してみても、やはり音は完全に同じというわけではないようです。
具体的には、音の傾向は似ているものの「arctis 1」はやや低音が強く、高音は控えめ(arctis 3比)。個人的には「arctis 3」の音の方が気に入りましたが、これは好みで選んでいいレベルだと思いました。
※同じスピーカードライバーであると明言されている「arctis 7」とは比較しておりませんので、ご了承ください。
装着感は賛否両論
▲arctisシリーズ伝統のゴムバンドは、苦手な人もチラホラ...?
記事の中盤でお伝えした通り、「arctis 3,5,7」はゴムバンドでフィット感を調整するタイプで、『arctis 1』は通常のヘッドバンドタイプ。
他のレビューなどをみると、「上位機種のゴムバンドのフィット感が苦手」という方もいるようです。
僕としてはどちらも問題なく、強いて選ぶとすればゴムバンドがよかったですかね。
ここも完全に好みなので試着できればベストでしょうが、失敗が少ないのは『arctis 1』なのかな、と思います。
ちなみに、ヘッドセットの質感については、やはり価格が上の「arctis 3」の方がよかったですね。
選び方としては、
・低音強めが好きで、通常のヘッドバンドがいい方。少しでも価格を抑えたい方は『arctis 1』
・バランスよりの音が好みで、ゴムバンドも問題ない方。さらにヘッドセットに質感を求めるなら「arctis 3」
という感じなのではないでしょうか。